甲状腺ひとつ取ってみた

甲状腺腫の手術と入院生活などの記録

入院2~3日目、ICUにて(2)

ICUの夜は長い。検温の際に看護師さんが「いま〇時ですよ」と教えてくれるのだが、その度にまだそんな時間かと感じた。点滴などが邪魔で寝返りを打つのも一苦労なので、よけいに長く感じたのかもしれない。

どこからか年配の男性らしき叫び声が聞こえる。あれが術後せん妄ってやつか? 看護師さんによると「若い人でも天井に虫が這ってるとか言う人いる」らしいけど……などとあれこれ考えてはウトウトし、また目が覚めてのくり返し。この時点でもまだ頭にもやがかかったようで、痛みらしい痛みは感じなかった。

気がついたら部屋の電気がついていた。ということはもう朝なのか。「先生が来るから」ということで体を拭いてもらい、歯を磨く。しばらくして現れた医師のチェック後、ベッドがリクライニングされて上体を起こすことができた。腰が伸びてすごく楽だ。どうやら経過は順調らしい。

さらにその後、主治医と担当医+研修医(たぶん)が3人揃って現れた。痛みの有無、傷の様子などを確認され、吸いのみで水を飲めるかチェック。問題ないということで、尿道カテーテルが抜けることになった。さらにICUを出て病棟に戻っていいという。いまのところ予定通りだ。

ところが、いざ病棟に戻るとなった際、迎えに来てくれた看護師さんの言葉に耳を疑うことになる。「トイレ付きの個室が空いたので、そちらに入っていただきます」。えっ? 私、個室に入るの?