なんちゃって更年期
2021年。50代に突入した私は、とにかく体調が悪かった。
何をしてもよくならない首と肩のこり。そこから来る頭痛。そして何より異常な発汗。昔から汗っかきではあったのだが、それにしてもここ数年はひどい。私の場合、特に首の周りの汗が尋常ではない。暑い時はもちろん、ちょっと焦ったりしただけでも首に汗が噴き出す。汗で服やネックレスが変色するにおよび、さすがにどうにかしなくてはと観念した。
となると、私の年齢で真っ先に思いつくのは更年期障害だろう。肩こり、汗……どれも更年期の症状に当てはまるではないか。よし、ホルモン療法とかして健康になるぞ! と意気込み、ネットで近くの婦人科を予約した。
採血をしてくれた看護師さんは「この年齢は更年期世代よ、一緒に頑張りましょう」と励ましてくれた。はい! 頑張ります! 私はもう治療してもらえるものと思い込んで帰路についた。
しかし1週間後、結果を聞きに行った私に医師は「女性ホルモンの数値は問題ないですね」と無情にも告げた。「まだまだ大丈夫だから安心して!」って、いや私、更年期であってほしかったんですよ、じゃなかったらなんでこんなに毎日体調悪いんですか……。
「生理が止まったり、不順になったりしたらまた診せてください」。そうなのだ、私はバカみたいに生理周期だけはすこぶる順調で、ズレがあったとしてもほんの2、3日。尾籠な話、量こそ若い頃より減ってはいるが、周期はほぼ正確なのだ。
2年ぐらい前にもやはり汗が辛くて婦人科で検査してもらったことがある。その時も「生理が順調なら更年期じゃないと思うけど」と検査前に言われた通り、女性ホルモンの数値は問題なしだった。私は更年期じゃないのか。じゃあなんでこんなに毎日……(永久ループ)
もしこれがプレ更年期ってやつなら、この先もっと体調が悪化するってこと? だとしたら耐えられないなあ、とちょっと絶望的になった。しかし医師の一言に一筋の光明を見出すことになる。