甲状腺ひとつ取ってみた

甲状腺腫の手術と入院生活などの記録

入院2~3日目 ICUにて(1)

後で夫に聞いたところによると、手術が終わったと声をかけられたのは16:30頃だったという。手術室に入ったのは13:30だったから、約3時間麻酔で眠っていたことになる。そんなに長いわけでもないのに、目が覚めても何がどうなっているのかよくわからなかった。

まわりにいる何人かが声をかけてくれる。かろうじて執刀してくれた主治医はわかるものの、他は誰なのかわからない。そんな中で「大丈夫?」という夫の声は聞き取れた。それに対して私はこの機を逃すまいとばかりに「部屋を替えてくれって頼んで」と伝えたというね……よっぽど嫌だったんだなあ。というか「大丈夫」とか「来てくれてありがとう」とか言えよ! と今となっては思いますが。

初めてのICUは、テレビやマンガで見たイメージとだいたい同じだった。点滴やらカテーテルやら、体にいっぱい管がつながれている。足にはフットポンプ、右腕には血圧計などなど。看護師さんがたびたび痛くないか、気持ち悪くないかなどと聞いてくれるのだが、とにかく頭がボーッとして何も考えられず、痛いのかどうかすらはっきりしなかった。

ウトウトしたと思ったら、検温などで1時間おきくらいに起こされる。正直なところとにかく寝かせてほしいのだが、そういうわけにもいかない。そして驚いたのが、寝たまま歯を磨かされたことだ。確かにICU持ち込み荷物の中に歯磨きセットあったけども。これも今となっては術後の合併症リスクを減らすために必要だったんだなとわかる。とはいえあの時はとてもそんなことまで頭が回らず「何このスパルタ……」とげんなりしていた。