甲状腺ひとつ取ってみた

甲状腺腫の手術と入院生活などの記録

入院7日目、退院当日

月曜の明け方、止まらない絶叫に耐えかねて部屋を出た。たまたま居合わせた看護師さんにどこか別の場所で休めないか聞いたところ、食堂を使っていいという。この病院は本来食堂で食事が取れるようなのだが、コロナ禍で今は使われていない。

トボトボと食堂に向かう。朝焼けの光を浴びていたら、いい年して少し泣けてきた。個室代をケチったばっかりに、こんなつらい目にあうなんて……。入院してから約1週間、ほとんど眠れてなかったせいで精神状態がやばかった模様。睡眠は本当に大事ですね。

朝食やら洗面・歯磨きなどを済ませ、主治医が来るのを今か今かと待ちわびる。今日は何としても退院しなければならない。このままだと入院中に体調を崩すという本末転倒なことになってしまう。

手持ちぶさたでストレッチしていたら、ようやく主治医チーム登場。「お待たせ~今からドレーン抜くから、そしたら退院していいよ」やった! 先生ありがとう!

処置室に移動して、ベッドに座った状態で、首につながっていたドレーンを抜いてもらう。皮膚の下で管が動くのがはっきりとわかった。傷跡を保護するテープを貼ってもらっておしまい。特に何をしたらダメということもないので、普通に過ごして大丈夫とのことだった。

そうと決まれば一刻も早く帰りたい。荷物は昨日のうちにだいたいまとめておいたので、あとは医療保険請求や退院の手続きなど事務的な手続きを残すのみだ。途中ナースステーションで私の診察カードが行方不明になったり、退院窓口で延々待たされたあげく「まだ請求書ができていないので後日振込用紙をお送りします」とか言われて脱力したりもしたが、この際もうどうでもいい。

タクシーに乗って病院をあとにした。入院するときはバタバタだったが、いざ退院するとなったらあっさりしたものだ。こうして1週間の入院生活が幕を閉じた。車窓を照らす初春の光が、ことのほかまぶしく感じられた。